新着記事

  • 2021年7月23日抽象的な懲戒事由に反論は必要か?
    1.使用者側の抽象的な主張  懲戒処分や解雇の効力を争う時、使用者側から抽象的な懲戒事由・解雇事由を主張されることがあります。例えば、 暴言を繰り返した、 勤務態度が悪い、 コミュニケーション能力が不足している、 といったようにです。  労働者の方の中には、懲戒処分や解雇の効力を争うにあたり、使用者側のこうした主張に対し、色々な反証を挙げて問題がなかったことを裁判所に分かってもらおうとしようとする …
  • 2021年7月22日公務員の懲戒処分-弁明の機会の日の通知から弁明手続の開催までには、どれくらいの日数が必要か?
    1.防御活動に必要な期間  行政手続法15条1項は、次のとおり規定しています。 第十五条 行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項二 不利益処分の原因となる事実三 聴聞の期日及び場所四 聴聞に関する事務を所掌する組織の …
  • 2021年7月21日「国家公務員退職手当法の運用方針」に盲従することが否定された例
    1.国家公務員退職手当法の運用方針  国家公務員の退職手当は、「国家公務員退職手当法」という法律に基づいて支給されます。  懲戒免職処分を受けた国家公務員に退職手当が支給されないというのも、この法律に基づく取扱いです。具体的に言うと、国家公務員退職手当法12条1項は、 「退職をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者(当該退職をした者が死亡した …
  • 2021年7月20日職種限定合意は万能か?
    1.職種限定合意  職種限定合意とは「労働契約において、労働者を一定の職種に限定して配置する(したがって、当該職種以外の職種には一切就かせない)旨の使用者と労働者との合意」をいいます(佐々木宗啓ほか編著『類型別 労働関係訴訟の実務』〔青林書院、改訂版、令3〕290頁参照)。  昨日、職種限定合意が、配転の場面で使用者に認められている広範な裁量に対抗するための有効な道具であることに触れさせて頂きまし …
  • 2021年7月19日大学准教授に職種限定合意が認められた例
    1.職種限定合意  職種限定合意とは「労働契約において、労働者を一定の職種に限定して配置する(したがって、当該職種以外の職種には一切就かせない)旨の使用者と労働者との合意」をいいます(佐々木宗啓ほか編著『類型別 労働関係訴訟の実務』〔青林書院、改訂版、令3〕290頁参照)。  一般論として、配転命令には、使用者の側に広範な裁量が認められます。最二小判昭61.7.14労働判例477-6 東亜ペイント …
  • 2021年7月18日公務員-懲戒免職処分を受けながら退職手当の全部不支給処分が取り消された例
    1.懲戒免職処分と退職手当の全部不支給処分との関係  国家公務員の退職手当は、「国家公務員退職手当法」という法律に基づいて支給されます。  懲戒免職処分を受けた国家公務員に退職手当が支給されないというのも、この法律に基づく取扱いです。具体的に言うと、国家公務員退職手当法12条1項は、 「退職をした者が次の各号のいずれかに該当するときは、当該退職に係る退職手当管理機関は、当該退職をした者(当該退職を …
  • 2021年7月17日公務員-残業の付替処理で懲戒免職された例
    1.諸給与の違法支払・不適正受給  国家公務員には、非違行為の類型に応じた懲戒処分の標準例が定められています(懲戒処分の指針について(平成12年3月31日職職―68)参照)。 懲戒処分の指針について  標準例は「諸給与の違法支払・不適正受給」という類型の非違行為について、 「故意に法令に違反して諸給与を不正に支給した職員及び故意に届出を怠り、又は虚偽の届出をするなどして諸給与を不正に受給した職員は …
  • 2021年7月16日総合職への職種転換の機会を一般職女性から奪ったことが違法とされた例
    1.職種変更からの排除  男女雇用機会均等法6条3号は、「労働者の職種及び雇用形態の変更」について、「労働者の性別を理由として、差別的取扱い」をすることを禁止しています。  同号に規定されている「職種」とは、「職務や職責の類似性に着目して分類されるもの」をいい、総合職・一般職の別などもこれにあたります。  そして、一般職から総合職への職種の変更について、その対象を男女のいずれかのみとすることは、同 …
  • 2021年7月15日コロナ禍のもとでの拙速な整理解雇が否定された例
    1.新型コロナウイルスの影響下での解雇事件  訴訟提起等の法的な措置をとってから裁判所の判断が得られるまでには、一定の時間がかかります。裁判所の判断が示されてから、それが公刊物に掲載されるまでの間には、更に時間がかかります。  新型コロナウイルスの流行で一部産業が深刻なダメージを受ける中、解雇の効力がどのように判断されるのかに関心が集まっていました。流行が始まってから1年以上が経過し、ようやく新型 …
  • 2021年7月14日有期労働契約者が解雇事件の係争中に他社就労するにあたり、就労意思を否定されないための訴訟技術
    1.他社就労による就労意思の喪失  解雇が無効とされた場合に労働者が労務を提供していなくても賃金を支払ってもらえるのは、 「債権者(使用者)の責めに帰すべき事由によって債務(労務提供義務)を履行することができなくなった」 と理解されるからです。  この場合、 「債権者は、反対給付(賃金支払義務)の履行を拒むことができない」 とされています(民法536条2項本文)。  しかし、 「労働者が、就労の意 …