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  • 2021年4月15日防塵マスクを着用して就労した医師を解雇することは許されるか?
    1.新型コロナウイルス感染に対する不安  新型コロナウイルスに感染する不安を感じながら働いている医療従事者の方は、少なくないのではないかと思います。特に、勤務先である病院から感染防止に十分な装備を支給してもらえない場合、その不安は、察するに余りあるものがあります。  それでは、装備品の支給が十分ではない場合に、やむなく備品を自己調達して身に付けていたことは、医療従事者を解雇する理由になるのでしょう …
  • 2021年4月14日身体障害を有する年少者も健常者と同様の賃金条件で就労する可能性があるとされた例
    1.障害者の逸失利益  事件や事故で被害を受けた方は、加害者に対して損害賠償を請求することができます。賠償を求めることができる損害の一つに「逸失利益」という項目があります。これは、事件や事故がなければ、得られていたはずの利益をいいます。例えば、事件や事故で重い後遺障害が残って十分に働けなくなってしまった場合、被害者は、事件や事故がなかったとすれば得られたであろう稼働収入の賠償を求めることができます …
  • 2021年4月13日健康保険に加入させなかったことを理由とする疑似労働者の慰謝料請求
    1.健康保険に加入させてもらえないという問題  健康保険法上の「被保険者」は「適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう」と定義されています(健康保険法3条1項参照)。  事業所との間で業務委託契約を締結し、個人事業主として働いている人は「使用される」関係にないため、健康保険の被保険者にはなりません。  しかし、業務委託契約など雇用以外の法形式がとられていたとしても、実質的に労働者と変わら …
  • 2021年4月12日疑似労働者に対する有給休暇の取得妨害の認定
    1.擬似労働者への年次有給休暇の取得妨害  労働者の年次有給休暇の取得を妨害することは、不法行為を構成することがあります。ここでいう取得妨害とは、典型的には、労働者の年次有給休暇を取得する意思表示に対し、「事業の正常な運営を妨げる場合」(労働基準法39条5項)でもないのに、これを拒むことが考えられます。年次有給休暇を取得するという意思表示がないにもかかわらず、取得妨害の認定に至る例は、あまりありま …
  • 2021年4月11日業務委託契約の形がとられている英会話講師の労働者性
    1.業務委託契約か労働契約か?  厚生労働省から委託を受けて、第二東京弁護士会では、フリーランス・トラブル110番という相談・紛争解決事業を実施しています。 『フリーランス・トラブル110番』の開始について|第二東京弁護士会 フリーランス・トラブル110番  この相談・紛争解決事業は、複数の委員会を中心に運営されていますが、その中の一つに私の所属している労働問題検討委員会があります。委員会活動の一 …
  • 2021年4月10日無期・フルタイムの労働者間での労働条件格差の問題にどう取り組むか
    1.労働条件格差に対する法規制  短時間労働者と無期正社員との間での労働条件格差、有期契約労働者と無期正社員との間での労働条件格差に関しては、 「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」 という名前の法律で是正が図られています。  具体的に言うと、同法8条が、 「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間 …
  • 2021年4月9日障害者虐待防止法上の通報を理由とする不利益取扱いの禁止の射程
    1.通報を理由とする不利益取扱いの禁止  障害者虐待防止法16条4項は、 「障害者福祉施設従事者等は、第一項の規定による通報をしたことを理由として、解雇その他不利益な取扱いを受けない。」 と規定しています。  ここでいう第一項の規定による通報とは 「障害者福祉施設従事者等による障害者虐待を受けたと思われる障害者を発見した者は、速やかに、これを市町村に通報しなければならない。」 という規定に基づく通 …
  • 2021年4月8日「農家の嫁にはなれん」との言動の適法性
    1.問題ではあっても違法とまでは認められない言動  職場で上司や同僚から不適切な言動を受け、損害賠償を請求することができないかと相談を受けることがあります。  しかし、事実として不適切な言動が認められる場合でも、必ずしも損害賠償まで請求できるわけではありません。裁判では、 「問題(不適切)ではあっても、違法とまでは認められない。」 という領域があるからです。言動を理由に損害賠償を請求するためには、 …
  • 2021年4月7日相殺合意が許容される場合
    1.賃金全額払いの原則  労働基準法24条1項本文は、 「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」 と規定しています。  この規定があるため、使用者は、労働者に対して債権を持っていたとしても、これを賃金支払債務と相殺することができないと解されています。  ただ、この規定は、使用者側からの一方的な相殺を禁止しているに留まります。相殺がされたのと同様の効果を、労使間の合意によ …
  • 2021年4月6日火のないところに煙は立たない-苦情は来ること自体が問題なのか?
    1.苦情は来たこと自体を非違行為にすることはできるのか?  クレームが来ること自体が問題だ-上司からこうした叱責を受けた人は、少なくないと思います。  しかし、顧客の言うことだけを一方的に信じ、クレームに発展した経緯や、問題視されている事実の存否を問題にすることなく、クレームが来たこと自体を理由に、労働者に対し、叱責したり、不利益な処分を行ったりすることは、許されるのでしょうか?  この問題を考え …