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  • 2021年1月23日定年後再雇用-定年退職時の60%を下回る基本給を設定することが労契法旧20条違反とされた例
    1.定年後再雇用-同じ仕事をさせながら賃金を下げることが許されるか?  定年後再雇用された方の賃金水準は、多くの場合、定年前よりも低くなります。より軽易なものへと業務内容が変わっているのであれば、このような取扱いも、理解できなくはありません。しかし、定年前と全く同じ仕事をさせながら、定年後再雇用された方の賃金水準を低く抑えている企業も散見されます。  それでは、定年後再雇用であることから、従前と同 …
  • 2021年1月22日劇団員の労働者性が一歩前進した事例-稽古・出演の時も労働者
    1.劇団員の労働者性  昨年の2月、入団契約を結んだ劇団員の労働者性について判示した裁判例を紹介しました(東京地判令元.9.4労働判例ジャーナル95-48 エアースタジオ事件)。 https://sskdlawyer.hatenablog.com/entry/2020/02/20/010316  エアースタジオ事件の裁判所は、会場整理、セットの仕込み・バラシ、衣裳、小道具、ケータリング、イベントな …
  • 2021年1月21日業務委託契約を利用した脱法的労働者派遣で被派遣者に労働者性が認められた事例
    1.労働者派遣法の脱法スキーム  労働者派遣事業は「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(労働者派遣法)によって、業務が適正に行われるように規制されています。  こうした法規制を逃れるための古典的な方法に、業務委託契約利用したスキームがあります。例えば、A社から一定の業務を受託したB社が、その受託業務を個人Cに再委託します。その後、個人CをA社のもとで働かせるといっ …
  • 2021年1月20日退職者への行き過ぎた慰留に不法行為該当性が認められた例
    1.辞められない会社  一昔前に「辞められない会社」という退職妨害をしてくる使用者の存在が話題になりました。こうした退職妨害行為の横行を受けて、現在では、退職したい労働者向けに、法律事務所が退職代行・退職に向けた交渉代理などのサービスの提供を提供することも一般的になりつつあります。  どれだけ使用者が退職を阻止しようとしたとしても、辞意を固めた労働者の退職を阻止する方法はありません。また、退職代行 …
  • 2021年1月19日普段あたりさわりのない評価をしていた部下に本音を伝える時の留意点
    1.部下や後輩に対する評価  部下や後輩の仕事ぶりを評価することは、難しい業務の一つです。期待した水準に達していなかったとしても、そのことをストレートに伝えることが、必ずしも良い結果に繋がるとは限らないからです。できない点ばかり指摘していては人は意欲を失います。多少の粗には気にせず、良い評価を伝えて自信を与えた方が、能力の向上に結び付くことは、決して少なくありません。しかし、だからといって、問題点 …
  • 2021年1月18日妊娠中の解雇を理由とする慰謝料請求
    1.違法解雇を理由とする慰謝料請求  違法な解雇により精神的苦痛を受けた労働者は、不法行為に基づいて慰謝料を請求することができます。しかし、実務上は、地位確認・賃金請求が認められれると、それに伴って精神的苦痛も慰謝されるとの理由で、慰謝料請求が認められない事例は少なくありません(第二東京弁護士会 労働問題検討委員会『2018年 労働事件ハンドブック』〔労働開発研究会、初版、平30〕377-378頁 …
  • 2021年1月17日社会保険に加入してもらえなかったことを理由とする慰謝料請求
    1.社会保険に加入してもらえない  健康保険法48条は、 「適用事業所の事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、被保険者の資格の取得及び喪失並びに報酬月額及び賞与額に関する事項を保険者等に届け出なければならない。」 と規定し、労働者を使用する事業主に、被保険者資格を取得したことを届け出る義務を負わせています。  また、厚生年金保険法27条は、 「適用事業所の事業主又は第十条第二項の同意をした事 …
  • 2021年1月16日報酬が勤務時間と関係なく定められ、兼業が認められている取締役でも、労働者性を主張できる可能性はある
    1.労働者性の判断基準  取締役、請負人、業務受託者など、雇用以外の法形式のもとで働いている人がいます。こうした方々の働き方に関わる問題を考えるにあたっては、労働者かどうかが重要な意味を持ちます。労働者性が認められれば、労働基準法や労働契約法をはじめとする労働法令を適用することができるからです。  委任契約、請負契約、業務委託契約(準委任契約)といった契約類型では、現実にある力関係を捨象し、当事者 …
  • 2021年1月15日整理解雇場面での職種限定合意と解雇回避措置の一つとしての他職種への配置転換の可能性
    1.解雇回避措置の一つとしての他職種への配置転換の可能性  一般論として、解雇の可否を検討するにあたっては、前もって解雇回避のために相当な措置がとられていたのかどうかが、考慮要素の一つになります。そして、解雇回避のために相当な措置がとられたと認められるかどうかを判断するにあたっては、他職種への配置転換の可能性が検討されたのかが、一定の重みを持ってきます。  しかし、職種限定の合意がある労働者を解雇 …
  • 2021年1月14日学部廃止に伴う大学教授の整理解雇-他学部への異動の可否を検討する必要はあるか?
    1.整理解雇の解雇回避措置  整理解雇については、①人員削減の必要性、②解雇回避措置の相当性、③人選の合理性、④手続の相当性を中心に、その有効性が検討されています(白石哲編著『労働関係訴訟の実務』〔商事法務、第2版、平30〕363頁参照)。  解雇回避措置の相当性を判断するにあたっては、ⓐ広告費・交通費等の経費削減、ⓑ役員報酬の削減等、ⓒ残業規制、ⓓ従業員に対する昇給停止や賞与の減額・不支給、賃金 …