新着記事

  • 2020年11月24日残業代請求-検証実験による労働時間の反証活動が否定された例
    1.労働時間であることの反証活動  残業代請求訴訟をしていると、使用者側から、 「もっと短い時間で作業を終えられたはずなのに、これほど長く働き続けているのはおかしい。」 といった形で労働時間に関する主張に反論されることがあります。  そうした反論の根拠として、折に触れて登場するのが、使用者側が独自に行った検証実験結果です。タイムカードなどの客観的証拠に乏しい事件では、時間外労働を行っていたことを主 …
  • 2020年11月23日マタハラ-妊娠中、労働能率の低下を理由に雇用形態の変更を打診されても、早まったらダメ
    1.妊娠を理由とする雇用形態の変更の強要はダメ  男女雇用機会均等法9条3項は、 「事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第六十五条第一項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第二項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取 …
  • 2020年11月22日標準例に掲げられていない非違行為(ハラスメント加害者による関係者に対する圧力)の処分量定
    1.懲戒処分の標準例  公務員の懲戒処分に関しては、どのような行為をすれば、どのような処分量定になるのかについての標準例が定められているのが一般です。  例えば、国家公務員について言うと、「懲戒処分の指針について(平成12年3月31日職職-68)」という規則があり、ここで、 「正当な理由なく10日以内の間勤務を欠いた職員は、減給又は戒告とする。」 「勤務時間の始め又は終わりに繰り返し勤務を欠いた職 …
  • 2020年11月21日処分事由説明書に記載する事実に求められる具体性-被害者の氏名等の記載は必要的か
    1.処分事由説明書  地方公務員法49条1項は、 「任命権者は、職員に対し、懲戒その他その意に反すると認める不利益な処分を行う場合においては、その際、その職員に対し処分の事由を記載した説明書を交付しなければならない。」 と規定しています。  国家公務員に対しても同様の規定が設けられており(国家公務員法89条1項)、公務員の方が懲戒処分を受けた時に、その効力を争うことができそうかを検討するにあたって …
  • 2020年11月20日社宅の明渡義務の不履行に伴う賃料相当損害金は、どのように理解されるのか?
    1.社宅の賃料相当損害金  解雇等に伴い、使用者が、労働者に対して、社宅の明渡を求めてくることがあります。労働契約の終了に争いがなければ、速やかに退去・明渡をするだけですが、解雇等の効力に争いがある場合、しばしば明渡は円滑には進みません。  労働契約上の地位が存続しており、賃貸借契約も終了していないとして明渡を拒んでいると、使用者側から建物明渡・賃料相当損害金の支払を求める訴えを提起されることがあ …
  • 2020年11月19日親族経営の会社での縁故採用者の立場は弱い-暴行を理由とする解雇
    1.規律違反行為を理由とする普通解雇の有効性  規律違反行為を理由とする普通解雇の有効性については、 「規律違反行為の類型に当たる場合としては、暴行・脅迫・誹謗、業務妨害行為、業務命令違反、横領・収賄等の不正行為が考えられる。その態様、程度や回数、改善の余地の有無等から、労働契約の継続が困難な状態となっているかにより、解雇の有効性を判断することになる。」 「これらについては、企業秩序や使用者に与え …
  • 2020年11月18日小規模企業には管理監督者は存在しない?-管理監督者を置く必要性
    1.管理監督者  労働基準法41条は「監督若しくは管理の地位にある者」(管理監督者)に該当する労働者について、労働時間に関する規定の適用を除外しています。結果、管理監督者には時間外割増賃金が支払われません。そのため、残業代を請求する時、しばしば労働者が管理監督者に該当するのか否かが争われます。  この管理監督者とは、 「部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者 …
  • 2020年11月17日退職後に行った損害賠償額を予定する契約の合意の効力
    1.賠償予定の禁止  労働基準法16条は、 「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」 と規定しています。  この規定があるため、在職中に会社から「不手際があったら〇円払え。」といった契約の締結を迫られ、これに署名・押印してしまったとしても、労働者は契約の効力を否定することができます。  それでは、在職中ではなく退職後に、「在職中の仕事の不手 …
  • 2020年11月16日違法解雇-地位確認・未払賃金請求構成より損害賠償請求構成に利点があるかもしれない場合
    1.違法解雇の争い方-地位確認と損害賠償請求  労働契約法16条は、 「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」 と規定しています。  労働契約法16条との関係で解雇が違法・無効であることを問題にする場合、二つの法律構成が考えられます。  一つは地位確認・未払賃金支払請求の構成です。解雇が違法無効である、ゆえに労働契 …
  • 2020年11月15日長時間労働の是正-実体を伴わない指導(「早く帰れ」「健康に留意するように」)に意味はない
    1.長時間労働による疾病と安全配慮義務  過去、恒常的な長時間労働で鬱病に罹患し、自殺した労働者の遺族が会社に対して損害賠償を請求した事件がありました。最二小判平12.3.24労働判例779-13電通事件と呼ばれている事件です。  この事件で最高裁は、 「使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を …