新着記事

  • 2021年2月25日残業代請求-黙示の指示が認められる要件
    1.黙示の指示  残業代を請求した時に使用者側から寄せられる反論パターンの一つに、 「勝手に働いていただけだ。」 という主張があります。  確かに、使用者から明示的に残業を禁止されていた場合には、時間外労働をしたとしても、労働時間としてカウントしてもらえないことがあります。  しかし、裁判官の執筆に係る文献に、 「時間外労働は、労働義務と不可分一体であるため、使用者の明示または黙示の指示があれば、 …
  • 2021年2月24日上司に変なあだ名をつけたメールを同僚に対して送信したことは、どの程度の懲戒処分に値するのか?
    1.同僚間での上司の揶揄  職場の同僚と上司の悪口で盛り上がったことがある人は、決して少なくないのではないかと思います。  こうした愚痴の言い合いは、時や場所が選ばれるのが通例です。そのため、本人に発覚するケースは、それほど多くはありません。  しかし、何等かの拍子で、悪口を言っていたことが、会社に発覚することがあります。こうした場合、どの程度の処分まで覚悟しておく必要があるのでしょうか?  この …
  • 2021年2月23日旧労働契約法20条裁判-正社員就業規則の準用規定がある場合も直律的効力は認められないのか?
    1.直律的効力  労働契約法20条に、 「有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において『職務の内容』という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その …
  • 2021年2月22日使用者(行政)による懲戒記者会見の違法性
    1.提訴記者会見に対して消極的な裁判所  ジャパンビジネスラボ事件控訴審判決(東京高判令元.11.28労働判例1215-5)、三菱UFJモルガン・スタンレー事件(東京地判令2.4.3労働判例ジャーナル103-84)と、近時、提訴記者会見に対し、消極的な評価を下す裁判例が目立つようになっています。 提訴記者会見に厳しい時代の到来か – 弁護士 師子角允彬のブログ  上述の例からも分かるとおり、裁判所 …
  • 2021年2月21日個人的な付き合いを拒否している女性に個人的なメールを送ったらダメ・返信があったからといって拒否の撤回と捉えたらダメ
    1.抗議や抵抗がなくてもセクハラは懲戒処分の対象になる  セクハラを理由とする出勤停止処分・降格の効力が問題となった事案で、最高裁が、 「職場におけるセクハラ行為については、被害者が内心でこれに著しい不快感や嫌悪感等を抱きながらも、職場の人間関係の悪化等を懸念して、加害者に対する抗議や抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくない」(最一小判平27.2.26労働 …
  • 2021年2月20日就業規則・懲戒処分の指針で使われている用語は、法令用語と同じ意味か?
    1.法令用語には厳密な定義がある  一般の方が法律や裁判例を読みこむことが難しい理由の一つに、法令用語の難解さがあります。  法律や裁判例は日本語で書かれているため、一見すると誰でも読めそうに見えます。  しかし、各々の法令用語には、厳密な定義があります。法律家の仕事の一つは、厳密に定義されている法律要件への該当性を判断して行くことです。この構造が分からないまま、法令用語を日常用語の語感で読み解こ …
  • 2021年2月19日不正調査のための自宅待機中の賞与(勤勉手当)(公務員の場合)
    1.不正調査のための自宅待機期間中の賞与(勤勉手当)  昨日、不正調査のため自宅待機を言い渡した公務員に対し、賃金を支給しないことが許されるかどうかについてのお話をさせて頂きました。  この論点について、裁判所は、いかに不正行為をめぐる社会的影響が大きかったとしても、法律や条例の根拠がないにもかかわらず、賃金を不支給とすることは許されないと判示しました。 不正調査のための自宅待機中の賃金(公務員の …
  • 2021年2月18日不正調査のための自宅待機中の賃金(公務員の場合)
    1.自宅待機命令  非違行為を犯した労働者に対し、使用者から、不正の全体像を調査し、適正な懲戒処分を科するまでの間、自宅での待機が命じられることがあります。  これは職務として自宅待機を命じられるものであることから、民間の場合、使用者は待機中の労働者に対し、原則として賃金の支払義務を負うことになります。  ただ、例外もないわけではなく、 「当該労働者を就労させないことにつき、不正行為の再発、証拠湮 …
  • 2021年2月17日労働審判に口外禁止条項を挿入されないためには
    1.労働審判と口外禁止条項  労働審判法20条は、 「労働審判委員会は、審理の結果認められる当事者間の権利関係及び労働審判手続の経過を踏まえて、労働審判を行う。」(1項) 「労働審判においては、当事者間の権利関係を確認し、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命じ、その他個別労働関係民事紛争の解決をするために相当と認める事項を定めることができる。」(2項) と規定しています。  労働審判を申 …
  • 2021年2月16日密輸の量定相場(公務員の懲戒処分)
    1.懲戒処分の指針  国家公務員は「職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合」や「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」、免職、停職、減給、戒告といった懲戒処分の対象になります(国家公務員法82条2号3号)。  しかし、「職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合」や「国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」という文言には、軽微なものから重大なものまで、多種多様な非 …